『OCTOBER＆MARCH』柔らかな彩りの世界

 STANDARD SUPPLY 二子玉川では、6月12日（木）〜6月24日（火）の期間、『OCTOBER＆MARCH』のPOP UPを開催いたします。

現在ショップでもお取り扱いのあるブランドですが、期間中は普段店頭でご覧いただけない作品や今回新たにSTANDARD SUPPLYが特別にオーダーしたアイテムなど、多数店頭に並びます。

POP UPを開催するにあたり、作り手の島 奈津さんにもたくさんお話を伺いました。

島さんのお話と共に、作品の一部をご紹介したいと思います。

 

 

私が初めて『OCTOBER＆MARCH』の作品に出会ったのは、３年前の合同展示会でした。

どのブースにも素晴らしい作品が並ぶ中、ひときわ目に飛び込んできたのがこの色とりどりのオブジェのようなベースでした。

これらの作品はポリエステルコードをかぎ針編みで、ひとつひとつ丁寧に作られています。

手作りだからこそ同じベースでもそれぞれに異なった表情が生まれ、歪な形にもなんとも言えない愛嬌があります。

この出会いがきっかけとなり、ちょうど2年前の今頃、以前の店舗で初のPOP UPを開催させていただきました。

 

 

 

島さんは、製靴の専門学校で靴作りを学んだ後、服飾雑貨の企画会社でレディースシューズのデザインをされていたそうです。

また靴のお仕事と並行してバッグなどの革製品を作ったり、作家さんと一緒にイベントを開催するなどの活動もされていました。

 

FRAME 　A6 ￥6,600（税込） A5 ¥8,800（税込）  A4 ¥13,200（税込）

 

『OCTOBER＆MARCH』の誕生秘話や、今後のご活動についてお話を伺いました。

 

Q：ブランドを始めたきっかけは？

島さん：靴のデザイナーとして働いている中で、期せずして小学生ぶりに触れたかぎ針編みに夢中になりました。

ふと靴を編んでみようと思い立ち、履き物として機能させるためにポリエステルコードに辿り着くのですが、通常編み物には使われない素材なので毛糸などとは違った表情や機能が現れてくるのに気付きました。「編む」という柔軟で包容力のある成形方法を使って新しい表現を探っていこうと思い、活動を始めました。

 

Q：「OCTOBER＆MARCH」のブランド名の由来は？

島さん：子供たちの誕生月です。

下の子の妊娠中に久々に触ったかぎ針がきっかけで子育てと共に始まった、というのがこの名前の由来です。

 

TUBE VASE　M ￥4,180（税込）、L ¥4,950（税込）

 

Q：ブランドコンセプトは？

島さん：原初的な成形方法である編み物を構造的な視点で見つめ、編むことによって意図しない機能や風合いが生まれることを期待して形にしています。

不完全だけども構造的には安定しているという柔らかな仕組みに惹かれます。

 

Q：今後の活動や製作したい作品について

島さん：作品としては最近お休みしていた靴を再開したいのと、編み物の柔らかな構造が発する作用を空間として表現できたらおもしろいなと思っています。

新しいものに取り掛かる際はゴールを決めずに手を動かしながら見つけるという方法を取っているのですが、一種の出会いのようなものです。

作品においても活動においても作り続けていく中での出会いを楽しんでいけたらと思っています。

 

 

PHONE HOLDER  ¥7,480（税込）

 

最初にSTANDARD SUPPLYがスペシャルオーダーをお願いした第一弾がこちらの「PHONE HOLDER」です。

メッシュ編みをポイントとしたポリエステルコードのPHONE HOLDERは、機能性だけでなく、コーディネートのアクセントにもなります。スマホだけでなくメガネやカードケースを入れて持ち歩くのも便利です。

 

 

PHONE STRAP SHORT  ¥6,600（税込）

 

スペシャルオーダー第二弾がこちらの「PHONE STRAP」。サイズは画像のショートサイズとロングサイズの２サイズ展開です。

長さは結んで調節。結び目もデザインのポイントになります。

スマホ用のストラップとして作っていただきましたが、ショルダーバッグのストラップとしてもおすすめです。

 

 

そして今回特別にオーダーしたのがこちらのMINI BAGです。

 

 

元々は島さんご自身がお持ちになられていたバッグがとても素敵だったので、STANDARD SUPPLYでも販売したいと思い、サイズや仕様を少し変更し、スペシャルオーダーさせていただきました。

今までの作品とは全く違う手法で、何度も試行錯誤を繰り返しながらようやく完成したバッグです。

 

Q：MINI BAGの製作過程において、工夫されたことや苦心されたことはありますか？

島さん：太さの違うコードを組み合わせたり、編み方を変えたりしながら１本のチェーンを作り、さらにそれらを編んで形にするという試みを繰り返していました。

 

 

例えばタイトに編むのとゆるく編むのでは同じコードでも表情や機能は全く異なります。

さらに何色かで引き揃えたり、筒状にすることで表現の技が多様に広がります。

 

 

試みの中で極細のコードを空気も一緒に編み込むようなイメージでゆるく編んでみました。

300m分でも非常に軽いのでバッグに仕立ててみたのが今回製作したMINI BAGへと繋がります。

 

 

チェーンを作る作業はひたすら単純作業なのですが、無心になれるので実は一番好きな作業です。

手編みを続ける上で時間というものに必然的に向き合うことになるので、時間の性質だったり捉え方についてあれこれ思案することがあります。

ただこの時は最初に編んだチェーンがタイトに感じたため100mを全てほどいて編みなおしたのですが、なるべく時間のことは考えないようにしました（笑）。

 

 

 

このバッグは３本取りなのでどのように色がミックスされるか好きな蛍光イエローでまず試しました。

ポップになりすぎず、かつ蛍光色が生きるようにマイルドな色目を合わせています。ラベンダーを組み合わせたことで洗練され調和が取れたように思います。

 

 

 

Q：最後に、POP UPにご来場のみなさまにメッセージをお願いします。

島さん：色の混ざり具合とユニークな質感をぜひ店頭で感じていただきたいです。

ミニマルなサイズに仕立てているので、お洋服やSTANDARD SUPPLYのバッグとのコーディネートを楽しんでいただけたらと思います。

 

 

MINI BAG ¥26,400（税込）　　全３色：YELLOW、BROWN、BLACK

 

島さんの自由な発想と柔軟さ、妥協を許さないこだわりと思い入れが『OCTOBER＆MARCH』のどの作品からも伝わってきます。

ぜひ店頭にて『OCTOBER＆MARCH』の世界観をゆっくりとお楽しみください。

みなさまのご来店をお待ちしています。